おひとりさまって年末年始みたいな長期休暇になると、いつもより深く色々考えちゃったりしませんか?
シングルなだけに終活でエンディングノートを残したとしても無意味な部分がたくさんある事を知っていますか?
葬祭事に少々関わっているわたしが、ある研修に出て『これって、おひとりさまこそ必要な事じゃない!』って思った話です。
おひとりさまのお葬式やお墓ってぼんやり考えてても実は全然現実的じゃないって話
わたしも、まだそんなに真剣に自分の終わりの時の事を考えているわけじゃないけど、なぜかエンディングノートを持っています。それも2冊^^;
真剣じゃないもんだから2冊とも虫食いのようにぽつぽつと書き散らしてしてるだけなんだけど。
それでも、ふと自分が死んだ時の事を考えるのも事実。
とくに、年末年始の長期休みやお盆の頃の『家族』ってものを意識しがちな時期に。
終活って言葉も、さんざん使い古された気もするけど最後の身じまいとしてきちんと終わりたいとしたらやっておくべき事だな。とは思ってる。
今年のお盆にぼんやりと考えていたことは
『お葬式って、わたしにとっては必要ないことだなぁ~』
『そして、お墓も全然必要ないなぁ~』
って事。

でもこれって、実は独りよがりの妄想レベル。
こっそり火葬にしてもらって、海へ散骨してもらって後は何も残さずに
死んだ自分も残された人たちもお墓やお仏壇みたいな物に囚われないようにしたいって。
それ甘いな...単なる夢見る夢子ちゃんだな...と。
こっそり火葬も、海へ散骨も誰がやるの?自分じゃできないんだよ?って話。
それこそ、エンディングノートに書いて遺志として残せばいいんじゃないの??
と終活はエンディングノートで!!っていう終活神話に惑わされてる部分が大いにあって。
決して無駄ではないんですよ。エンディングノートだって。
おひとりさまでも、おひとりさまじゃなくても。
ただ、特におひとりさまにとってエンディングノートだけでは
人ひとりが、この世からいなくなるには効力が弱くて、意味をなさない事がたくさんありすぎるんです。
おひとりさまの死後の、その後が思ってたより煩雑...の話
まず、エンディングノートは覚書の範ちゅうでしか無いものになってしまう部分が多大にある事を認識してください。
私が死んだら、お葬式は...お骨は、こうしてほしい。
資産はここと、ここにこれだけある。
この資産は、こう分けて誰々に、どこどこに相続してほしい。
残された人にあてたメッセージetc...etc...
こういった事を書いて家の中に残したとしても、気づかれなければそれまで。
気づいてもらったとしても、法的にはなんの効力もな無いものなんです。エンディングノートって。
後を看取ってくれる家族がいて、エンディングノートの存在を知ってくれていれば
ある程度の『わたしの遺志』は叶うかもしれない。
それでも、なんらかの理由で実行されない実例をたくさん見てきました。
例えば、お葬式はしないで、お墓にも入れてくれるな!っていう遺志だって
世間体の為とかなんとか、親戚の手前とかなんとか、諸々の諸事情でうやむやになる事だってある。
ともすれば代々の菩提寺がある人は、そのお坊さんが言語道断!!とか言っちゃって無理やり葬儀をさせられちゃう事も実際にあります。
そして、相続なんて特にそう。
もし、揉めた場合。
エンディングノートなんてそっちのけで、裁判までもつれこんじゃう事だってザラにあります。
たとえ遺産が少額でも。逆に少額だったり、残されたものが家だけだったりの方が揉める確率がぐんと伸びます。
仲が良いと思っていた姉妹がお互いの伴侶からの口出しもあって揉めてしまい
『なんでこんな事になっちゃったんだろう...』と遺産の事を思い悩むのではなく
姉妹の関係が壊れてしまった事を悲しんでいる。
そんな姿も見てきました。
更に、おひとりさまの場合
『おひとりさまのわたし』が死んだ後に『わたしの遺志』があるとしたら?
生きている時は、様々な事を自分で考えて、自分で決めて、自分で行動してきた、おひとりさまのわたしだけど。
死んでしまったらもう、わたしは自分の願いを叶える為に自分自身が動くことも自分の世話をしてあげる事もできません。
例え『わたしの遺志』をエンディングノートに書いたって、実行する為に動いてくれる人がいなければ全く意味はなくなってしまいます。
そして、わたしが自分で今まで生きる為に、生活する上で必要だった事の膨大な後処理や、死後からすぐに発生する諸手続きも当然わたしはする事はできません。
例えば...
入院などをしていた場合の未払い分等
2.遺体の引き取り、親族、友人等への連絡
本当におひとりさまの場合や遠縁の親族しかいない場合
3.葬儀、菩提寺の選定、お墓の有無
やるか?やらないか?遺骨はどうするのか?
4.アパートの明け渡し、持ち家の場合の事務処理、公共料金の精算
契約終了の手続きやライフラインの停止、持ち家の処分など
5.遺品の処分
一人でも予想以上の相当な家財が残される。家族がいたとしても大きな負担。
6.未払い債務の精算
ローンやクレジットカードの未払いや、リボ払い等の諸手続き他
7.役所関係の諸手続
年金、健康保険、確定申告、医療費控除、住民票等々
8.ブログ、SNS、パソコンなどのデータ消去
データだけでなく、課金制のアプリやゲーム、月払いのソフト、アフィリエイト等々
9.相続財産の引継
現金、預金、土地、住居、株式、生命保険、個人年金、貴金属、コレクション等
ざっとあげてみても、うんざりするほどの雑務です。
頭がくらくらしてきます(=_=)
できるだけシンプルに、清貧に生きなければと身の引き締まる思いになります...(+_+)
これ、誰がやってくれるんだろう?
もういるはずの無い自分以外に。
おひとりさまが本当に考えてやらなきゃいけない事はコレかもしれないの話
で、わたしが研修に出てチラッと(この話がメインではなかったんだけど)出てきたワードが
死後事務委任契約
本当にチラッと一度だけ、講師の先生が口にしたワードだったんだけどコレって!?
と急いでメモった言葉。
死後事務委任契約とは
死後の諸手続きを(葬儀の方法を含む)具体的に細かく指定する契約です。
その契約を公正証書で残すと、死後事務委任契約公正証書となります。
通常、委任契約は依頼者の死亡をもって契約が終了となるため、
成年後見人等の任意貢献契約は死亡後の事務を行うことができません。
そこで、死後事務委任契約を締結することで、死亡後の短期的な事務を委任することができます。
また、遺言では財産の相続に関する事や祭祀継承者の指定はできますが
具体的な葬儀内容については指定できませんし指定していたとしても法的な効力は持ちません。
死後事務委任契約では通常死後に遺族が行っている諸手続きを第三者に代理権を与えて、手続きをさせることができます。
契約相手は弁護士等の法律関係職に依頼してもいいですし、友人等に依頼しても構いません。
なんと素晴らしい死後事務委任契約!
なかなか友人ってわけにはいかないのが現実だと思うのですが^^;
この契約相手を誰にするか?が難しい所ではあります。
おひとりさまと言っても色々なおひとりさまがいるわけで。
ずっと一人で生きてきた!って人もいれば
離婚などでシングルとして頑張ってきた人。
子供がいなくて伴侶に先立たれた人や
子供や家族や親族はいるが、事情で頼れない人。
頼れる家族・親族も高齢で自分が一番しっかりしている場合
おひとりさまではないけれど内縁関係の夫婦や、同性のカップル
などなど。
人って色んな事情で生きています。
友人などでもいいとの事だけど、そこまで信頼できる友人っているかな?
わたしはいない...かな。人間関係が希薄すぎるのかと少々落ち込みますね(+_+)
で、やはりわたし的には一番手っ取り早い司法書士や弁護士などの法律の専門家にお願いするのが安心だし、後々面倒くさいことにならずに済むのではないかと
そんな方向で考えだした所です。
これだけの事を依頼するんだから費用もかかるんだろうなぁ...とサラッとですが調べてみました。
契約書を作成してもらう為に支払う報酬
●死後事務を行う為の報酬・・・約50万円位から100万円位
死後の葬儀や納骨等の事務を行ってもらう為の報酬
どこからどこまでを依頼するかによって変わってきます。
●公証役場手数料・・・1万1千円
契約書を公正証書にする場合に公証人に支払う手数料
●預託金 ・・・不明...(+_+)
死後事務を行うには、葬儀費用・遺品整理費用・納骨費用等の様々な経費が発生します。その必要経費を生前にあらかじめ概算で見積もって委託。葬儀の規模や納骨の方法かなりの変動あり。←わたしはイマココ調べ中。
こりゃ、葬儀なんてやってる場合じゃないわ!!と更に『ひっそり火葬』への決意を固めたって結末です。
おひとりさまがお葬式やお墓より死後のその後の後が大切だったって話のまとめ
今回、自分でも気になる事を調べながら
人が一人いなくなるって本当に大変な事なんだな...って改めて思い知りました。
死んだ後の事なんて知るか!行政が何とかするでしょ!
とか
残されたものが(いる場合)やって当たり前!
とか
やっぱりここでも考え方は人それぞれだと思います。
ただ、わたしだったら?って考えた場合にこの形がベスト中のベストだな思ったのでシェアさせていただきました。
全てをベストで終われるかといったら不安はありますが、ここを目指して^^;
シングルとはいえ子供がいるのになぜかって?
死んでもなお最後の最後まで親でありたいという変なこだわりなのかな?って思ってます。
親でいる以上、子供の手を煩わせたくない。
煩雑な事に思い悩まず生きたいように生きてもらいたい。
わたしの離婚によって、幼い頃に迷惑をかけた分もう迷惑はかけたくないっていう負い目みたいなものもあるかもしれません。
金銭的な面でかなりの不安は感じておりますが(@_@;)
よぉ~~しっ!頑張って働こっ!!!
おしまい。
わたしの死生観についてのお話
おひとりさまのお盆に終活を考え始めてしまった...不安のもって行き場所が見えてきた