新盆を迎える親族がいる方は、お盆の提灯の事が気になる時期ですね。
盆提灯って何個贈ればいいんだろう?いくらぐらいの、どんな提灯がいいのかな?
提灯代とか言って現金を渡すのもアリみたいだし...じゃあ相場はどんなもんなの?
そう何度もない事だけに迷う事がたくさんありますよね。
決まり事より大切にしたい事、その方が贈る意味が生きますよっていう話を
つい最近、13年のキャリアを捨てた【元葬祭従事者】が、従事しなくなった立場だからこそできるお話しをしていきます。
新盆の盆提灯は何個贈ればいいの?いつ贈るの?
新盆で飾る提灯といえば、地域にもよりますが白提灯と柄提灯。
・白提灯は、故人の家族が1張り用意するもの。
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・親戚や親しい間柄として贈る提灯としては、柄の提灯を1対(計2個)贈る。
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と、一般的には言われています。
でも、柄提灯って絶対に1対なの??
本当に一対贈っちゃっていいのかな?
逆に迷惑じゃないかな?
1台でもいいんじゃ??
贈られる側の都合や事情、希望等が多様化してきていて
贈る側としても、勝手に選んで贈ってもいいものか気になりますよね。
実際に選ぶとなると、色々考えてしまう事も多いかと思います。
そこで、考えられる『もらう側の都合や希望』を想定した悩みどころと言えば
- 施主側としては本当の所1対欲しいのか?1台でいいのか?
- 色柄などの好みはどうなのか?
- 家紋は入れたいのか?家紋の種類は?
- いつ頃までに手配すればいいのか?
- お値段的にはどのくらいの提灯を贈ればいいのか?
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しまいには
- そもそも提灯欲しいの…かな?
なんて、元も子もない事まで気になってしまいます。
決まり事より、大切なのがこの部分なんです。
相手方をおもんばかる気持ち。
決まりごとに則った、気持ちのない贈り方をしても感謝どころか有難迷惑...なんて思われる事も。
なので、迷って困って『どうしよう?』と思ったあなたは大正解なんです。
え...大正解とか言われたって困ってるんだけど!!
ですよね。これから、一つ一つの困りごとを解決していきましょう。
まず、一番間違いのない方法は
【相手方に聞いてしまう】
気の置けない関係で、気軽に聞けるような間柄なら聞いてしまうのがお互いがスッキリします。
一方で、聞けないから困ってるんじゃないか!という方もいますよね。
そういう場合は、最近は主流になりつつある
【現金を『提灯代』として贈る】
なんだか、現金って心がこもっていない感じがして気が引ける
という気持ちも分かりますが
逆に、もらう側の都合や希望、住宅事情とミスマッチな提灯を勝手に贈る方が、よっぽど心が伴ってないと思いませんか?
『提灯代』を『御献灯料』としてお渡しするのも一つの心遣いだったりします。
新盆提灯を贈る時に相手方に聞きたい事アレコレ
では、まず聞ける関係のパターンから詳しくお話ししていきましょう。
一番のメインである盆提灯は何個贈るの部分から
●もらう側としては本当の所1対欲しいのか?1台でいいのか?
これは聞き方次第で、上手に聞けるのではないかな?と思います。
『新盆の提灯ね。
1対(計2個)贈ろうか、良い物を1台とかの方がいいのか迷ってるんだけど、どうかな?』
『もし、希望があればと思って...』
ちなみにどうして一対じゃなくちゃいけないのか?
良い物、気に入ったものを1台でもいいんじゃないの?の辺りのお話は

●色柄などの好みはどうなのか?
と言っても、聞かれる側も口で伝えるには限界があります。
お盆前になると『新盆フェア』なる物が開催されて、わたしがいた葬儀場のホールでもお盆のふた月ほど前には展示会のような事をしていました。
その、展示会に施主様と一緒に訪れて選んでもらう。
という方法を取っている方も大勢いらっしゃいました。
●家紋は入れたいのか?家紋の種類は?
家紋も多岐にわたっていて、同じような紋様でも、ほんの少しずつ違っている事も多く、当の施主さんでさえ定かじゃないなんて事もあるんです。
実際、仏壇にある家紋と、お墓に彫られている家紋がわずかに違っていて
『本物どっち??』なんて事もしょっちゅうでした。
家紋を入れる場合は、綿密な打ち合わせが必要になってきます。
●いつ頃までに手配すればいいのか?
『16日のお盆の入りまでに用意できれば良いでしょう。』
という情報もありますが、一概に言える物でもなく
その前に行う『新盆法要』間に合わなかった...法要の時に飾ってお披露目したかった...
なんてケースもありますので忘れずに確認しましょう。
『新盆法要』の時期などの話はこちらが詳しいです

新盆提灯は現金で渡した方が『心遣い』になる事も
『提灯を贈るにも色々な事に気を使わなくてはいけなくて大変!』
『やっぱり、あまりあけすけに聞くわけにはいかないわ。』
という場合は、『提灯代』として現金でお渡しするのが、お互いに良い落としどころになるし
気持ちを贈る一つの方法になると思っています。
日本人の心として、現金なんて生々しくて!味気ない!
という考えもあるかとは思いますが、最近では提灯代としてお渡しする方が主流になりつつあります。
生活スタイルが多様化した時代の流れですね。
新盆の提灯代を包む熨斗の表書きと種類
盆提灯を現物で贈る代わりに現金を贈る場合はのし袋の表書きは
『御献灯料』『御提灯料』
更に丁寧にするにするなら『新盆献灯料』です。
そのまま『提灯代』と書いてしまうと『代』が品物の対価という意味合いになってしまいます。
金銭という事を表立って表明しないような配慮は必要ですね。
のし袋の種類は、水引が『結び切り』の物
水引の色は、白黒・銀・黄白を使います。
提灯代の相場っていくらくらい?
基本、盆提灯のお返し物はしなくて良いと言われています。
提灯代も同等の扱いになりますので金額も貰う側がお返しに気を使わない程度に。
提灯代を贈るとしても、新盆の会食付きの法要に呼ばれている場合は、別にお香典を『御仏前』として用意しますので、その場合は兼ね合いも考えながら合算した金額にしないように気を付けてくださいね。
提灯代としての金額の目安
提灯を贈るつもりだったんだから、それ相応の金額を?と思ったりもしますが現金となると金額的に大きくなってしまいますので貰う側が気後れして今います。
また、他の皆様から頂いた提灯代を合わせた金額で施主の方で用意するという体の意味合いもありますので一人で気張らなくても大丈夫です。
今までの付き合いの中での暗黙の金額設定もあるかと思いますので一概には言えませんが
だいたいの相場としては。
2等身以内の親族 1~3万円
その他の親戚 5千円~1万円
以下は、役職や関係性にもよりますし、あまり盆提灯を贈る事は少ないはずですが、お盆のお参りのお香典の代わりとしてお渡しする場合は
会社関係 3千円~5万円
近所・知人・友人 千~3千円
相場と言っても、地域や今までのお付き合いの程度、独自の親戚ルールなんていうものもあったりしますので周りと相談する事も必要ですね。
新盆の提灯は何個贈る?いつ贈る?そんな決まり事より大切な事って?のまとめ
本当に葬祭事って、ややこしい!
昔ながらのしきたりや、決まり事に縛られたり、慎重に気遣いをしなければならないし
かつ、それぞれの地域や親戚の独自ルールがあったりと一律で決まっていないだけに迷ったり、分からない事がたくさん。
決まり事が大切なんじゃなくて、お互いが気持ちよく、本来の意味ってなんだろう?
って皆が柔らかく考えられたら、義理や建前、体面に気を使い過ぎなくて済むのにって常々思っています。
盆提灯は一対って、なんでいわれてるの?『一般的には』を覆す話
タイトルからは分からない様になっていますが、もっとダークに語っているのが
おひとりさまのお盆に終活を考え始めてしまった...不安のもって行き場所が見えてきた
保守派のお寺様とかに怒られそうなので内密に(;’∀’)